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スポーツを頑張るお子さんが腰痛を訴えたら【腰椎分離症、分離すべり症】

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今回は腰椎分離症分離すべり症についてお話します。

成長期の子どもでスポーツを頑張っている場合、腰痛を訴えることがあります。
特にスポーツをした後に腰が痛くなることがあります。

この場合、腰椎分離症を念頭に置く必要があります。

腰椎分離症の特徴としては、前屈の動作は比較的スムーズにできて、反る動作において腰の下部中央に痛みがでます。

〜腰椎分離症〜

この疾患は腰椎の椎弓と呼ばれる部分に骨折(分離)が起こることです。

多くはスポーツ活動、特に発育期の過度な活動により、腰椎椎間関節突起間部(椎弓)の疲労骨折によるもの。

骨折はレントゲンにて確認することができます。
斜位像のテリアネックサインが有名です。

好発部位は第5腰椎です。

症状としては
・初期に運動後の違和感、重だるさ
・進行すると運動中の腰痛
・片側に出現する腰痛
・反る動作において腰の下部中央に痛み
などがあげられます。

腰椎分離症によって、しびれなどの腰部神経症状が現れることは比較的少ないです(30%以下)。
後述するすべりが加わると神経症状が出現する危険性が増加します。

もし神経症状が出現している場合はMRI検査が必須になります。

骨折(分離)がしっかりと起きている場合は、レントゲンで確認することができますが、
早期の場合はレントゲンにて確認できないことがあります。

腰椎分離症は早期の発見が予後に大きく影響するので、
MRIやCTにて早期に発見することができます。

 

〜原因〜

2つの原因があります。

①遺伝

家族間での発生もみられますし、人種による発生頻度の差もあります。
日本人と白人は約6%、黒人では2%、ある地域のイヌイットは60%もあると言われています。

②腰椎にかかるストレス

腰椎に繰り返しかかるストレスによって発生します。
ある統計学的調査では、分離症の発生頻度が小学校高学年から高校生にかけて次第に増加することがわかりました。

さらに、スポーツをする子どもと、スポーツをしない子どもの間に発生率の差があります。

これらは成長期の過度の運動、特に伸展と回線の動きが分離の原因として大きく関わっていることを示しています。

〜分離症になってしまったら〜

腰椎の骨折(分離)が起きた時期と症状の出現には時間のズレがあります。
ですから、分離があっても無症状の期間があります。

多くは10代後半から20代で腰痛が出現します。
20代以下の若者でスポーツや仕事で腰痛が出現し、レントゲンで腰椎の分離が確認されれば、60〜70%の確率で分離が腰痛の原因と考えられます。

◯急性期
痛みが出始めの時期は急性期と呼ばれ、激しい痛みがあります。
活動を一時的に中断し、腰部の安静を保つことが大切です。
コルセットを使用して腰部にかかるストレスを軽減させることも良いです。

◯慢性期
慢性期の腰椎分離症に対しては体幹部のアイソメトリックエクササイズが有効です。
アイソメトリックエクササイズとは等尺性運動と呼ばれるもので、筋肉の収縮のみを行い、関節の運動を伴わないものです。
簡単に言うと、腰を動かさずに体幹の筋肉に力を入れるということです。

☆発症直後の対応をまとめると
①痛みが出現直後は腰への過度の負荷を避ける(スポーツの一時中断等)
②痛みが強い場合は、おさまらない場合はコルセットを着用して安静を保つ
③若年の場合はスポーツの完全な中断、専用コルセットでの腰部の保護

〜分離症になったら手術をしないと治らない?〜

一度発生した分離症は巣術をしなくては治らないと今までは考えられていました。

しかし、腰椎分離症の研究が進み、
分離が起きた初期では3ヶ月、進行期では6ヶ月間の全てのスポーツ活動の中止と専用コルセットの着用により、手術なしで治ることがわかってきました。

専用コルセット

学童期に腰椎分離症の診断がなされた場合には、スポーツの制限とコルセットの着用をきっちりと守ることで、分離部の癒合を期待できるのです。

脊椎分離症の分類、頻度、癒合率(井形高明.他:発育期スポーツ障害の治療を予防. 日整会誌63:912-923,1989)

〜分離すべり症〜

分離症はすべりを伴うことがあります。
これを腰椎分離すべり症といいます。

腰椎の椎弓が分離することで、固定されていた腰痛が動いてしまいすべりが生じます。

基本的には分離症と同様の対応をしますが、
すべりが10代で発見されれば、痛みが軽度でも定期的なチェックが必要になります。
すべりが増していく様なことがあれば、手術を検討することになります。

40歳以上の日本人であれば約6%に分離があるとされています。
しかし分離があるからといって、腰痛の原因がこの分離にあるとは限りません。
40歳以上になると、周囲の筋肉や椎間板などその他の要因から腰痛が出現していることの方が多いです。
坐骨神経痛が出現している場合は、分離すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などが疑われます。

〜注意点〜

子どもの腰椎分離症を癒合させるには3〜6ヶ月のスポーツ活動の禁止が必要になります。
痛みそのものは2,3週間のスポーツ中止により速やかに解消することが多いです。

たとえ分離症があったまま成長したとしても、それが後に腰痛を引き起こすことは少ないとされています。

実際、現役スポーツ選手でも腰椎分離がありながらも活躍している例は多いです。

発育期の子どもの調査ではスポーツ活動が週に14時間を超えると分離症などのスポーツ障害を引き起こす確率が上がることがわかっています。
予防のためには1回の運動を1.5時間、週に3回までをスポーツ活動の上限にすることが推奨されています。

さらに日々のストレッチ等で身体の柔軟性を高めておくことが重要になります。

 

もしもスポーツを頑張っているお子さんが腰痛を訴えていて、少しでもおかしいと思ったら、医療機関を受診することをおすすめします。
ご不安な場合は、当院までご相談ください^ ^

子どもが腰痛を訴えたら・・スポーツをしている子どもの腰痛【腰椎終板障害】

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今回は子どもの腰痛についてお話します。

大切なお子様が腰痛が訴えると不安になりますよね?

子どもは成長過程にありますので、
常に骨格や筋肉が変化しており、不安定な状態です。

さらに、進学や習い事などで生活環境が急に変わることも多いです。

・身体的な変化
・環境の変化

この二つの変化があることで、腰部にかかる負荷が増加するため
腰痛になることがあります。

〜子どもの発育〜

発育途中の子どもは、骨の端に骨端核と成長軟骨(骨端線)があり、骨が成長していきます。
成長軟骨が傷ついてしまうと、骨の成長に影響を及ぼしてしまうことがあります。
その結果、機能障害や慢性腰痛を引き起こしてしまいます。

小学校高学年から中学生の間は成長が特に急激です。

この期間に子どもが腰痛を訴えたら、腰椎分離症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎終板障害を疑う必要があります。
特にスポーツを頑張っている子どもの場合は尚更です。

腰椎分離症や腰椎椎間板ヘルニアは他のブログでお伝えしていますので、
こちらでは腰椎終板障害について紹介します。

腰椎の成長軟骨を椎体終板といいます。
子どもの腰椎ではこの終板がリング状に存在していて、
徐々に腰椎が大きくなり大人の骨になります。

成長軟骨が構造的に弱いため、
スポーツなどで強い負荷がかかると剥離骨折(かけるような骨折)のように傷ついてしまいます。
この状態を腰椎終板障害(損傷)といいます。

椎間板の線維輪は椎体終板に付着しており、体幹の前屈や回旋動作を繰り返すと線維輪が椎体終板を牽引するので、損傷を起こします。

上体を大きく曲げたり反ったり、重いものを持ち上げたりすることで腰に大きな負担がかかることで、発症し強い痛みが出現します。

椎体終板が剥離した部分からヘルニアが脱出することがあり、若年生腰椎椎間板ヘルニアとなる場合があります。

痛み自体は早ければ1ヶ月程度でおさまることもあり、椎体終板障害とは気づかずに成人することもあります。

大人になって慢性腰痛になった場合は、子どものころの腰椎終板障害が影響している事例があるとされています。

〜発症後の対応〜

患部を安静に保つ保存療法が基本となります。
ただ、神経を症状している場合は手術が必要になってくることもあります。

ですから子どもの体は負荷に弱いことをよく理解して、
発症させないようにすることが重要です。

スポーツは発育、発達において大切ですので、
負荷を避け続けるというのは現実的ではありません。

予防をするということが大切です。

予防で重要なのが、
・体幹トレーニング
・股関節の柔軟運動
この2つです!

体幹のインナーマッスルを鍛えることで、腰椎をストレスから守ることができます。
また、股関節を柔軟にすることで腰部の過剰な運動を避けることが可能となります。
子どもの時期に身体の基礎が作られますので、これらをしっかりおこなうことで大人になってからの腰痛も防ぐことができます。

上記の2つは障害予防の観点だけでなく、運動パフォーマンスの向上にもつながります。

子どもの時から柔軟性と体幹の安定性を育てておきたいですね^ ^

 

子どもの腰痛【腰椎終板障害】

 

 

 

 

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